ソフトボール大会活動の報告

卒業生のみなさん、 キャッチボールを私としたの憶えていますか? 私はキャッチボールの相手を必ず、研究室の新入生にしていました。 趣味や地元、小さいころ家族の思い出などをいろいろ聞かれ、 キャッチボールに集中なんかできなかった、 その話題が卒業まで引っ張られていた、という記憶がありませんか?

学科ソフトボール大会は、本情報工学部の創設時からありました。私は 赴任した年から、学生のように参加してソフトボールを楽しんでいました 学生数が足りない年は毎試合出場、数が十分な年も、学生におだてられて ほとんどの試合に出て、MVPが狙えるような参加でした。 私も頑張った?ので最下位ではありませんでしたが、本研究室に優勝は 遠いものでした。

2000年代になると世の中、国民、社会が自身を見る目が厳しくなりました。 本学情報工学部も同じで、キャンパスのどこかでしばしば自由発生してい たバーべキューも禁止、飲酒の環境も見直され、多くの指導やルールの 下に道がしかれるようになりました。少子化もあり、公立の生徒の間でも 小学校から塾や受験的環境もめずらしくなくなり、本研究室の学生さん達も 大人しく真面目が優勢な雰囲気になっていました。大学生になって経験す る、小学生からのノンストップ勉強に立ち止まって人生を考える段階で、勉強 への戻り方に戸惑う学生が多く、研究室がどんよりしていました。

そこで、本研究室に体育係つくること、そのリーダが週一回の活動を企画 をして、準備から片づけをみんなで行って体育をするという提案を 私から学生にしました。バトミントン、バレー、バスケット、卓球など、 いろいろ真剣にやったのを憶えています。ラケットやネットが壊れてたり 不公平だったりして、コミュニケーションが生まれ、その楽しさから 自然に学生それぞれの個性で自分の居場所を作っていったようです。 学科がソフトボール大会を行っているのもあって、ソフトボールが主な 体育として残りました。 どの種目でも、私は全ての学生と相手・対戦するようにこだわりました。 勉強や研究では製品のように揃って大人しい学生達から、体育を通して多 くの人間性を感じることができました。

体育係を導入して数年は、研究室の勉強会の後にすぐ体育できるように スケジュールを考えたり、私が協力していました。すぐにその必要は なくなり、学生が自分たちのアイディアで協力するようになりました。 毎週のソフトボール練習で行った、準備体操、整理体操、懐かしいです。 大会では練習がモチベーションとなって、優勝するようになりました。 優勝すると次年度運営係となる学科ルールだったようなので、 学科仲間から不満の声が怖くて?、ソフトボール大会を盛り上げるために 研究室で練習する、他の研究室と合同練習するなど、良い循環が生まれ、 2019年の最終回まで、多くの優勝、多くの連続優勝をしました。 その年年の学生達に大切な大きな思い出ができたこと、おめでとう、 とっても良かった。

体育係が機能し始めてからは、ソフトボール練習に私が出れない ことがとても多くありましたが、恒例の新入生キャッチボールは必ずしました。 大会でも、学生が優勝に向かって頑張って楽しんでいるところを見るだ けで私の参加の心はいっぱいで、私の出場は、たまにおじさん代打や 守りの数埋めになっていました。

学科ソフトボール大会は、2020年は新型コロナで中止となりました。 システム創成情報工学科の終了と重なったために、大会は終わってしまいました。 2019年までに研究室の入った学生達には、 研究室ソフトボールが、学生にとって本研究室の学習、研究活動のモチベーション、その ための健康の一番の大きな力の源になっていました。 学科ソフトボール大会がなくなった今、その偉大さを強く実感しています。 本研究の卒業生のみなさん、ソフトボールの宝を研究室に毎年贈ってくれて、どうもありがとう!

今、どんよりとした新社会の生きる学生さん達に、学習・研究の支えとなる、自分たちで作る宝、探しています。

伊藤 博